乾燥肌や敏感肌のケアに用いられることが多いセラミドですが、その高い保湿効果はオイリー肌のケアやトラブル改善にも役立ちます。
こちらのページでは、オイリー肌におすすめの有効成分「セラミド」について、その効果や副作用、種類などをまとめました。
1. セラミドとは?
人の肌はいくつかの層が重なって作られていますが、その一番上の層を角質層といいます。
肌の角質層は何層もの角質細胞から出来ており、その細胞の間を埋めつなぎ合わせている細胞間脂質の主成分がセラミドです。
セラミドは私たちの肌にもともと存在している成分なのです。
このセラミドは肌の潤いを保ったり(水分保持機能)、外からの刺激から守ったり(バリア機能)、お肌にとって重要な役割を持っています。
2. セラミドの効果
セラミドの効果として代表的なのは、「保湿」と「バリア機能の強化」、そして「アンチエイジング」です。
それぞれ詳しく説明していきます。
保湿効果
数ある保湿成分の中でもセラミドが特に優れているといわれる理由はアプローチの違いにあります。
ヒアルロン酸やコラーゲンの場合、「角質層で水分を引き寄せて抱え込む」ことで保湿を行っていますが、セラミドは「角質層の間に水分を抱え込んで水分を逃さない」ことで保湿を行っています。
これは保湿成分の中でも一番保湿効果の高いアプローチ方法で、2時間から24時間保湿効果が持続すると言われています。
このセラミドの優れた保湿効果は、乾燥が原因のオイリー肌の改善に役立ちます。
バリア機能の強化
角質層の細胞と細胞の間を細胞間脂質(セラミド)がしっかり埋めることでバリアを作り、刺激から肌を守っています。
しかし、加齢などでセラミドが減少すると、この細胞と細胞の間が徐々にザルのようにスカスカになってゆき、バリア機能が弱まってしまうのです。
セラミドを外から補うことによって、バリア機能を正常な状態に戻し、トラブルの起きにくい肌に導きます。
アンチエイジング効果
シワや肌のたるみといったエイジング現象は、セラミドの減少が原因のひとつです。
そこで、そのセラミドを外から補うことでハリと潤いのある肌を取り戻すことができると言われています。
3. セラミドの副作用
セラミドは肌にもともとある成分ですので、副作用を起こす可能性はほとんどありません。
そのため、敏感肌やアトピー肌の方にも広く使われています。
もしセラミドが配合された化粧品を使用して肌の調子が悪くなった場合、その製品に含まれるセラミド以外の成分が合わなかったという可能性が高いです。
ただし、お米や大豆など植物系のアレルギーを持っている場合、植物由来のセラミドにアレルギー反応を起こす場合があります。
植物に対してアレルギーを持っている方は、使用前にセラミドの種類を確かめるようにしてください。
4.セラミドの種類
化粧品に配合されているセラミドは以下の4種類に分けられます。
(1)天然セラミド
馬などの動物から抽出されるセラミドです。肌に浸透しやすく高い保湿力を持ちます。
高い効果が期待できますが、値段が高価なのがネックです。
天然セラミドが化粧品に配合される際は、以下のような表記が代表的です。
・ビオセラミド
・セレブロシド
・馬スフィンゴ脂質
(2)植物性セラミド
コメヌカやとうもろこし、大豆やコンニャクなどの植物から抽出したセラミドです。
動物性セラミドと同じく浸透力が高く、またセラミドの中でも特に刺激が少ないという特徴があります。
注意点としては、米や大豆などにアレルギーがある場合はアレルギー反応が出てしまう恐れがあります。
植物性セラミドのなかでもコンニャク由来はアレルギー反応が出にくいので、不安がある方はそちらを試してみてください。
植物性セラミドが化粧品に配合される際は、以下のような表記が代表的です。
・植物性セラミド
・コメヌカフィンゴ糖物質
(3)ヒト型セラミド(バイオセラミド)
ヒト型セラミドは酵母から作られたセラミドで、人の皮膚に含まれるセラミドに近い構造となっています。天然セラミドに劣らない保湿力や浸透力があり人気の成分です。
ヒト型セラミド(バイオセラミド)が化粧品に配合される際は、以下のような表記が代表的です。
・セラミド2
・セラミド3
4)合成セラミド(疑似セラミド)
石油原料から科学的に合成したセラミドに似た分子構造をした物質で、セラミドではありません。
安価に大量生産ができるため、さまざまな化粧品に配合されています。
デメリットとしては、やはりセラミドではないので、保湿などの効果は他と比べると劣るようです。
合成セラミド(疑似セラミド)が化粧品に配合される際は、以下のような表記が代表的です。
・セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド