皮脂が多く分泌されるオイリー肌は、ニキビなどの肌荒れに悩まされやすい肌質です。
グリチルリチン酸は、そんなオイリー肌の肌荒れトラブルを優しくケアしてくれる成分で、特に赤く腫れたニキビに効果的とされています。
こちらのページでは、オイリー肌におすすめの有効成分「グリチルリチン酸」について、その効果や副作用、種類などをまとめました。
1. グリチルリチン酸とは?
グリチルリチン酸とは、甘草(カンゾウ)という植物の根から抽出される成分です。
一見、科学的な成分にみえますが植物由来の成分で、甘草(カンゾウ)エキスとも呼ばれます。
グリチルリチン酸の特徴は、高い抗炎症作用と抗アレルギー作用です。
その効果の高さは確かなもので、グリチルリチン酸は化粧品でなく医薬部外品に分類されます。
もともとグリチルリチン酸の原料である甘草(カンゾウ)は口内炎や喉の痛みなど炎症を抑える漢方薬として古くから使われてきたという歴史があり、現在でも風邪薬や漢方薬など医療品に広く使用されています。
この抗炎症作用がニキビケアに効果的であること、グリチルリチン酸自体に抗アレルギー作用があるため敏感肌でもアレルギーを起こしにくいことから、ニキビケアの化粧品に多く配合されています。
頭皮の炎症によるフケや抜け毛を防ぐ効果からシャンプーなどヘアケア用品に使用されることも多く、幅広い分野で使われている成分です。
2. グリチルリチン酸の効果
グリチルリチン酸の効果を紹介します。
抗炎症作用
グリチルリチン酸の抗炎症効果は、赤ニキビのような炎症を伴う肌荒れを抑えるのに役立ちます。
また、グリチルリチン酸には殺菌効果もあり、雑菌の繁殖による肌荒れを予防する効果もあります。過剰な皮脂によって雑菌が繁殖してしまいやすいオイリー肌には嬉しい効果です。
抗アレルギー作用
グリチルリチン酸自体に抗アレルギー作用があることから、アトピー肌など非常に敏感な肌質でもアレルギーを起こしにくくなっており、敏感肌用の化粧品にもよく配合されています。
グリチルリチン酸は抗アレルギ―薬に配合されることもあり、その効果は確かなものですが、全てのアレルギーを抑えてくれるわけではありません。
アレルギーを持っている方は事前にパッチテストをしたほうが良いでしょう。
3. グリチルリチン酸の副作用
グリチルリチン酸には「1日の摂取量が40mgを超えると偽アルドステロン症を発症する可能性がある」という副作用リスクがありますが、化粧品に配合されている場合においてはほとんど問題がありません。
グリチルリチン酸を化粧品に配合する場合、その配合上限は0.5%までと法律で決められています。
その上、実際に上限の0.5%まで配合されることはほとんどなく、0.1%ほどしか配合していないことがほとんどなのです。
ですので、グリチルリチン酸の配合された化粧品を普通に使用する分には過度に心配する必要はないといえるでしょう。
ただし、最初に説明させていただいたとおり、グリチルリチン酸は漢方薬や風邪薬といった医薬品に配合されていることも多い成分です。
グリチルリチン酸や甘草(カンゾウ)エキスが配合された医薬品を服用する際には、十分に注意した方がよいでしょう。
4. グリチルリチン酸の表記と種類
グリチルリチン酸の表記と種類について説明します。
(1)グリチルリチン酸の表記
グリチルリチン酸が化粧品に配合されるときの表記は主に以下のようなものがあります。
・グリチルリチン酸
・グリチルリチン酸2K
・グリチルリチン酸ジカリウム
・甘草(カンゾウ)エキス
・リコリスエキス
リコリスは甘草の洋名です。
(2)グリチルリチン酸の表記
グリチルリチン酸と似た成分として「グリチルレチン酸ステアリル」というものがあります。
これはグリチルリチン酸を加水分解し、ステアリルアルコールを結合させたものです。
グリチルリチン酸と比べて二倍の抗炎症作用があると言われていますが、その分副作用リスクが高まるとも考えられています。
そのため、通常のグリチルリチン酸と比べると化粧品に配合されるケースは少ないようです。